= 再会EAGLES on Oct.30, 2004 =


 EAGLES、ジャパン・ツアーの感想の最後を飾らせてもらいます。

 表題の通り、私が行ったのは10月30日の東京公演です。
 いろいろな見方、感想があると思います。私個人としては、過大な期待もせず、行くことに意義があるといった程度で挑み、楽しんできました。

 大まかに言えば、HenleyとGlennの声のコンディションも及第点でした。そして、JoeやTimothyは先の2人と比較にならないほどの声の張りで、素晴らしい歌を聴かせてくれました。特に「I can’t tell you why」では、Timothyは昔より声が出ているのではないか、と思った人も多いのではないでしょうか。

 今回のライブを振り返ると、私にはいくつかのポイントがありました。


1) Don Henleyのソロ曲は、必要だったのか?

 今回のライブで、Henleyのソロ4曲「Boys of Summer」「Sunset Grill」「Dirty Laundry」「All she want to do is dance」が取り上げられました。これらは彼のソロの代表曲です。改めてチェックしてみると、EAGLES名義の彼のリードボーカルを取った曲は、後期に集中していて以外と少ないことがわかります。仮に「Witchy woman」「The best of my love」「The last resort」などを入れた場合でも、前後の曲によってはメリハリに欠けて曲の良さを打ち消してしまうこともあり、難しいのも十分理解できますが、個人的にはHenleyのソロ曲は必要なかった、そう思っています。
 せめてもの救いは、「Dirty Laundry」で珍しいGlenn・Joeそしてスチュワート・スミスのトリプルギターを聴けたことと、「All she wants to do dance」でのGlennのダンスでした。でも何故かJoeのソロは許してしまいます。


2) ギターリストの悲劇

 スチュワート・スミス、2年もの間EAGLESと行動を共にしたことで、彼の心の中にもある程度のゆとりはできてきたのではないのかと思います。表情は以前と比べて随分と和らいでいたと思います。
 しかし残念ながら、あまりにもDon Felderのギタースタイルと違いが有り過ぎます。Felderのギターサウンドの特長は、チョーキングの使い分けです(ギターの弦を引っ張って音を上げる、Felderは半音、一音…といったように使い分けていました)。スチュワート・スミスは、その点で苦戦しており、Felderであればこう弾くであろうと思う音のイメージと差がでてしまっていました(チョーキングを避けて自分のフレーズを出すと、それが今一つなのです)。勿論、Henleyのソロ曲といったFelderのイメージが無い曲では気になりませんでしたから、スチュワート・スミスのギターの腕前が劣るというわけではありません。
 比較的気軽にライブに行ける大雑把なアメリカのファンの前であればいざ知らず、ライブに行くチャンスが殆ど無く専らCDを繰り返し聴きフレーズを覚える日本のファンの前では、固定イメージが有り厳しいのかもしれません。

アメリカと日本では、EAGLESに対してのファンの環境が違うのですから、コンサート会場においてのファンの接し方に差異があるのは当然です。それを指摘するのはナンセンスというものです。


3)Joe Walsh無しでは成立しないEAGLES

 Henleyは2曲続けて歌うことは絶対しないし、Glennも極力避けています(今回は「Take it to the limit」「You belong to the city」を続けて歌っただけです)。2人ともソロライブを行っているので、無理をすれば決して苦しいとか息が続かないということは無いはずです。ですが敢えてそれをしないということは、2人の負担を軽くする以外にもあるはずです。
 いえ明らかにJoeのパフォーマンスに頼っています、頼らざるを得ない状態にあると感じました。正直言って、Joeのパフォーマンス力は、HenleyやGlennよりも段違いに上ですから。
 02年5月のライブでは、JoeはFelderのパートは勿論のこと、HenleyやGlennのソロ曲でも、リードギターは殆どスチュワート・スミスに弾かせていましたが、今回のライブではJoeのリードギターがかなり増えていました。Joeのギタープレーには華があり、魅せられます。2人は絶対にJoeを切れない、否応なくそう感じるライブでした。


 悪く書けばきりも無く、例えば「Seven Bridges Road」を止めて「Hole in the world」に差し替えたのは、Steve Youngに著作権料を払いたくなかった為なんて言い方もできます。
 私達は評論家ではないですし、評論する為に会場に足を運ぶのではないのです。もっと気楽に楽しめばよいのではないでしょうか。

 10月30日のライブでは、アリーナ席は最初から総立ちでした。休みをはさんで2部は、流石に皆も疲れたのか、6曲目の「Walk away」からの総立ちで、足が棒になりヘトヘトになりました。ドーム・アリーナ席には傾斜が当然有りませんから、前に立たれてしまうと、ステージはおろかスクリーンですら見えなくなるのです。アリーナでもメンバーの顔が認識できる席は極僅かですから、かえって座って聴けるスタンド席の方が良かったと思えます。スタンド席の方も十分に楽しんだのではないでしょうか。

 皆さん、それぞれの感想や想いがあると思います。私は、Farewellというのはあくまで洒落と考えています。商業ベースの文句に振り回されず、Farewell Tour 2、3、4…を期待したいと思います。




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