= 孤高な詩人 Dan Fogelberg =


 都会が嫌いでコロラドに住み、70年代から80年代頭に数多くのヒット曲を飛ばしました。現在メジャーなレコード会社とは契約を打ち切られています。独自の路線を守り通し、外界から離れ、多くのパートを自分でこなす為、何時の頃からか、孤高な詩人と呼ばれるようになりました。

 1973年に「Home Free」というアルバムでデビューしますが、実際彼が注目を浴びるようになるのはJoe Walshがプロデュース、Eaglesのメンバーがバックアップした2作目の「Souvenirs (74)」からでしょう(このアルバムのクレジットを見ると、本当にEAGLESです)。以外にも当時のWalsh(ハードロックのWalshという意味です)がプロデュースした音楽は良質のウェストコーストサウンドでした。

 彼は、70年代のシンガーソングライターブームを作ったのではなく、それに乗じて現れた為、“遅れて来たシンガーソングライター”というキャッチコピーが当時つけられました。

 「Captured Angel (75)」
 「Netherlands (77)」
 「Twin Songs of Different Mothers (78)」
 「Phoenix (80)」 −「Longer」収録
 「Innocent Age (81) 」 −「Leader of the Band」「Same Old Lange Syne」収録
 「Greatest Hits (82) 」 −「Missing you」収録

 快調にアルバムを出しヒットを飛ばしますが、「Windows & Walls (84)」(「the Language of Love」「Believe in Me」収録)がチャート上位に上る最後のヒットになります。

 「Phoenix」、「Innocent Age」あたりが、彼のベストでしょう。「Innocent Age」では、数曲でGlennのバックボーカルが聴かれます。ベスト盤もいろいろ企画されて出ていますので、入門としてそれらのベスト盤でもいいでしょう。

 彼の音楽は、トータルイメージとして澄んだ景色を想像させる綺麗な曲が多いです。「Longer」は知っている方も多いと思います。詩が素晴らしいです。自然の中で暮らしているからこそできた詩だと思います(残念ながら詩の紹介は著作権の問題も有りますので、省略させていただきます)。

 他に私は「Same Old Lange Syne」をあげます。ポールサイモンの「Still Cary After all those years (時の流れに)」と似た詩ですが、どこでもありそうな古い恋人達の偶然による再会の一時を歌いあげています。詩が割と簡単なので、歌詞カードを追いながら曲を聴いても理解できるでしょう。

 その後、カントリーの接近を試みるなど、時代に流されない独自の路線を守り通していきます。残念ながら、あまりにも、初期の曲に名曲が多過ぎて、リスナーの耳がそこで止まってしまっている状態です。私もその内の1人なんですが。。。。



余談、Fools GoldはFogelbergのバックバンド出身で、ファーストアルバムをWalshとGlennがプロデュースしています。
「Windows & Walls(窓と壁)」とは“引き篭もり症候群”の象徴で、“窓と壁を見て暮らす人”という意味だそうです。重いテーマを抱えていて、「Believe in Me」というヒット曲を収録していますが、この曲もアルバムを通してみると、テーマの一部を形成しています。何やら、結婚直後のアルバムだそうです(その後離婚)。
最近の2作「First Christmas Morning (99) クリスマスアルバム」と「Something Old, New, Barrowed & Some Blues (00)」はそれまで在籍したEPIC/FULL MOONを離れ(契約を打ち切られ)、Chicago Recordからリリースしています。「First Christmas Morning.」は日本盤入手可。



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