= Don Felder Story (3) ソロ活動 =


 Glennの離脱後も、バンドの解散が確定的になった最悪の精神状態の中でも、残りのメンバーでライブアルバムの作業を続けて終りにさせなければなりませんでした。
 Glennはこれ以上メンバーと一緒に居たくないとロスに残り、他のメンバーはマイアミで作業を続けました。その間、LAとマイアミを何度もテープが行き来したのです。

 Felderの回想によると、残りのメンバーの誰もが、Glennの行動は一時的なもので、ソロアルバムを作った後でバンドの再建を考えるだろうと祈る気持ちでいたそうです。
 しかし、「Glennが抜けた後、皆がソロアルバムを作るって言い始めたんだ。最初にHenleyが“Glennがアルバムを作るなら、僕も作るよ”と言い、Joeがその後直ぐに“僕も”と続き、そして僕も声を出してしまったんだ。」


 1982年にHenleyとGlennがファーストソロアルバムをリリースすると、Felderも自宅で24トラックレコーダーを使って作業を始めます。しかしながら、それまでに彼は随分と心の葛藤があったようです。それまでの彼はバンドのフロントに立った経験はなく、アルバム全体を全て自分で責任を負うことに不安があったのです。性格的にそのような行為が好きでなかったようです。彼は自分のファースト・アルバムを誇りに思っていますが、当時はソロ・アルバムを作れるかどうか不安でしょうがなかったのです。

 EaglesのマネージャーであるIrving Azoff がFelderをなだめすかしてレコーディングに向かわせました。「Airborne」は自宅の客室をスタジオに変えて、そこで殆ど作られたのです。基本的にはこのアルバムは、24トラックレコーダーとドラムマシーンを使い、ギター、キーボード、ボーカルそしてドラムを打ち込んで、後日キャプテン&テニールの所有する“San Fernando Valley Studio”に持ち込んで、3トラックにミックスダウンしたそうです。
 その為か、この時期の作品は、サントラに収録されたアルバム未収録曲2曲を含めてリズムマシーンを多用した曲が目立ちます。またJoeの影響でボイスモジュレーターを使った曲もありました。映画「Heavy Metal」に収録された2曲は録音時期がことなりますので、また別なサウンドになっています。


 現時点では、「Airborne」は彼の唯一のソロアルバムになりましたが、その後の彼は他のアーティストのアルバムでプレーしたりで忙しく過ごしていたのです。特筆すべきはFTVと呼ばれる子供を対象にしたミュージカルコメディーショーのテレビ番組の音楽を請け負ったことが上げられます。この番組は、85年〜86年にオンエアされていたそうで、音楽だけでなく、たまにFelderも出演していたとのことです。
 また、一時期、音楽から離れてビジネスをしていたとも、未確認ですが聞いています。


 1993年、皆さんもご存知の通り、Henleyは、現在のカントリーチャートに上るシンガー達に呼びかけ、EAGLESの曲をカバーしてもらい、彼の組織するウォールデンの森プロジェクトのチャリティー盤をリリースしました。
 この時、Eaglesの解散時のメンバー、Don Henley, Glenn Frey , Don Felder, Timothy B. Schmit そして Joe Walshがビデオ制作の為に勢揃いし、これが1994年のMTVのコンサートにつながったのです。誰もが望みながら実現しなかったことで、4曲の新作を含んだライブアルバム「Hell Freezes Over」は待ちに待ったものでした。
 個人的には、「Hell Freezes Over」に収められた新作4曲中3曲は、それぞれのソロ曲の寄せ集めにしか感じられませんでしたが、「Get over it」だけは、GlennとHenleyの共同作業で出来上がり、2人のわだかまりが解けたと感じる作品でした。



 2001年2月6日、残念ながらEAGLES はFelderを解雇しました。

 バンドは彼抜きで動き始め、同年夏にはヨーロッパツアーを行いました。勿論、そのツアーは成功に終りましたが、多くのファンは、FelderとJoeの絶妙なギターワークを再び見られなくなったことに悲しみを隠しきれません。今、私たちがEAGLESを語る時、彼抜きには語れないのです。



最後に

 DonとGlennの二人は、 EAGLESのコンサート・キャラクターグッズなどの収益を管理するTHE EAGLES LTDという会社を設立・運営しています。殆どの権利は彼ら二人が持ち、TimothyとJoeは社員で、RandyとBernieには、権利が無いそうです。(JIMMYさんレポートより)
 Felderはこの会社を含め、バンドを運営する主要人物に対して裁判を起こしました。Felderは、彼に対する分配が年々徐々に減っていったと言っており、その抗議が不当解雇につながったというもので、正当な分配を求めています。原告側弁護士によるとRandyとBernieの時も、訴えなかったものの状況は同じであったと報告しています。被告側コメントが無いのでどちらにもつけませんが、ファンとしては早く和解して、可能であれば関係を修復してもらい、再びその姿を見たいものですね。




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