= アメリカンロックを築いた2つのバンド(2) =


☆Byrds☆ (ロン・ウッドが在籍していたバーズは「Birds」です)

 1964年に(Gene)Clark・Crosby・McGuinnが当時のフォーククラブ・トルバドールで出会い、意気投合して組んだのが始まりです。その後メンバーを加え、65年にDylanの「ミスタータンブリンマン」のカバーでデビュー。フォークロックの旗手として一躍注目されます。Dylanが絡むこともあって、Byrdsの方が格上のような気もしますが、デビュー時期が近いということで、バファロースプリングフィールドとはライバル的な存在として語られています。残念ながら、私はByrdsの「ミスタータンブリンマン」は好きではありません。「Turn Turn Turn」は好きなんですが。

 この時代のフォークロックとは、単にフォークギターをエレキギターに持ち替えただけのことです。それでも、ディランがエレキギターを持って初めて聴衆の前に出た時は、ブーイングの嵐で、フォークギターに泣く泣く持ち替えて再登場せざるを得なかったそうです。私は、3枚目以降のByrdsを聴いたことはないので、ここで語るには相応しくないかもしれませんが、中期・後期のサウンドはかなりの変遷を遂げるようです。

 オリジナルメンバーはGene Clark、 Mike Clarke、 David Crosby、Chris Hillman、Jim McGuinn (Roger McGuinn)。このバンドの特徴は、コーラスの素晴らしさとBeatlesに影響を受けたMcGuinnのリッケンの12弦ギターです。但し、最初の頃は、コーラスを含むボーカルトラック以外は、スタジオミュージシャンを使って演奏を録音していたそうです。モンキーズとは違って、彼らの演奏が下手だったというのではなく、レコード会社の方針だったのだと思いますが。

 初期のバンドの要はClarkでしたが、彼の脱退を機に何度もメンバーチェンジを繰り返し 、僅か6ヶ月ですがGram Parsonsが在籍していた時期もあります。その時期に出されたアルバム「SWEETHEART OF THE RODEO」は、カントリーに接近しているとのことですから、Parsonsの影響がかなりあったのではないでしょうか。もっともParsonsがByrdsを乗っ取ったと言う人もいますが。そしてParsonsはオリジナルメンバーのHillmanを引き抜くのです。その時点で、オリジナルメンバーはMcGuinnの1人になってしまいます。

 後期のByrdsは当然ながらMcGuinn主導の元で活動を続けていきます。そして、解散までにいろいろな音楽を試み、その後のアメリカンロックの土台を築いたと言ってよいでしょう。激しくメンバーチェンジを繰り返し、オリジナルメンバーでの再編という話が持ち上がったりで、残ったメンバーに気力が失せたのか、71年に解散してしまいます。

 ここからはCSN&YのC、そして Flying Burrito Brothersが生まれています。

 Flying Burrito BrothersはParsons がHillmanを引き抜いて作ったバンドで、Bernie Leadonが出入りしていたバンドでもあり、音を聴いたことがなくとも、EAGLESファンの方なら知っていると思います。ParsonsがHillmanの力を借りて「SWEETHEART OF THE RODEO」での音を完成させていったとも言えるかもしれません。

 Byrdsを巣立った者達の活躍が注目され、逆にByrdsは尻すぼみになるため、現在では歴史の奥に仕舞い込まれてしまった感がします。

ここで名前が出てこないGraham Nashはイギリスのバンド、ホリーズ出身です。リバプールサウンドとしてビートルズと共に語られるバンドです。


 この2つのバンド(BUFFALO SPRINGFIELD & Byrds)が大概して3つのバンドPOCO/CSN&Y/Flying Burrito Brothersに分かれるのですが、LA出身者はいないのです。皆、アメリカンドリームを夢見てロスに集まって来たのです。

 「カリフォルニアはアメリカで起こっている現象が、一番最初に現れる場所だ。だからアメリカという言葉の代わりにカリフォルニアを使い、ホテルカリフォルニアにしたんだ。」こんな意味合いのヘンリー談話が、CDの解説だったか雑誌に書いてあったのを思い出します。




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