= Don Henley on November 21, 1980 =


 Eaglesは「Hotel California」中の1節(Tiffany-twisted前後の数行)に、金持ちプロデューサに取り巻く人達や、そういった者達によって繰り返されるパーティーを比喩的表現で皮肉っているという説があります。Henleyの書く詩は、比喩表現が多く、正確に訳するのは非常に難しいですが、そういった内容の曲は、Don Felderのソロアルバム「Airborne」の中にも見受けられます(「Winners」「Night Owl」など)。そして、それらの出来事は彼等にとっても日常茶飯のこととなり、いくら否定しても排除できなくなっていくのです。

 1980年11月21日、通報により呼ばれた緊急師がロサンゼルス・ハリウッドのDon Henleyの自宅に到着すると、コカインを含む数種類の麻薬と、それらの過剰摂取に苦しむ1人の女性を見つけました。そしてこの女性が実は16歳の少女であった為に、事は大問題に発展するのです。

 私は雑誌、確か週間プレーボーイで、「EaglesのDon Henley、少女監禁及びコカイン所持で逮捕」という小さな記事を目にしました。“EAGLESは以前から、女と麻薬の噂が絶えることがなく、ここにきて露見してしまった”といったような簡単な記事でしたが、かなりショックを受けたことを覚えています。

 事の真相は、Henleyが日夜続けていた薬&らんちきパーティーに、たまたま年齢を伏せたかして16歳の少女がもぐりこんでいたといったところのようです。そしてそれが連日のことで継続的な状態に近かった為に、一部のマスコミが“監禁”といった言葉を使ったのではないでしょうか。

 後日、彼は「彼女が何歳かなんて考えもしなかったし、彼女がいったいどれだけのドラッグをやっていたかなんて考えてもいなかった。彼女とセックスなんてしてない、そうさ彼女は売春婦のように見えたし、僕はマダムって呼んでいた。僕の家はローディーズ(*)や男たちの溜まり場だったんだ。」とコメントしています。

 結局Henleyはこの件で、2年の執行猶予と麻薬のカウンセリングを受けることになるのです。この事件が、彼のおごりから生じたものなのか、バンド崩壊による精神的ダメージからの逃避により生じたものなのかは、私たちには知る由もありません。

 その後のHenleyは多くのチャリティに参加します。自らが進めるウォールデンの森プロジェクトもその1つです。このことがきっかけで、社会的貢献を考えるようになったのかもしれませんね。勿論、この事件の反省から目が向くようになったとのコメントがあったわけではなく、ところどころで見かける彼の断片的なコメントを読むと、そんな気がするのです。

 また、95年5月、長い間交際していたモデルのSharon Summerallと結婚して、現在は2人の子供(娘と息子)もでき、良き父親・亭主ぶりを発揮しているのではないでしょうか。「Inside Job」をリリースした時に、家庭を持ったことで、自分の作品そして考え方にかなりの影響をもたらしたことを語っています。



 本コラムを書くきっかけになったのは、ひさちゃんからのリクエストからでした。私自身、この事件によって、HenleyはEAGLESの中で1番下にいます。そして、最近ファンになられた方はHenleyのファンが多く、幻滅を与えたくないという気持ちもありました。しかしながら、良い面・悪い面全てを平等に扱い、EAGLESを理解してもらおうということから、書くことに踏み切りました。



ローディーズ
 原文は“Roadies & Guys”となっていますので、道に屯している女性達をHenleyは言っているのではないでしょうか?男達がそういった女性達に声を掛けて、彼の家に連れ込んでいたのでは?俗語の為、辞書(少なくとも私の使っている10年前の英和辞典)にはありませんでした。

 その後、この言葉の意味が分かりました。
 “ローディー(ローディーズ)”とは機材管理者のことだそうです。楽器の管理・セッティングに関するいろいろなことをやるそうで、最近少しずつこの職種のステイタスが上がってきているようです。但し、当時のアメリカではどうであったかは分かりません。


その後のコロンちゃんの情報によると、02年8月現在、もう1人男の子か女の子か不明ですがいるそうです。




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