= My Man/Gram Parsons =


 カントリーとロックを融合させた男。この言葉は、決してGene Clark・Chris HillmanやBernie Leadon他のミュージシャンには使われません。

 Chris Hillmanの紹介でByrdsに加入。アパルトヘイト政策下の南アフリカ公演を反対して、わずか半年でByrdsを脱退。そのByrds時代にストーンズと知り合い、特にキースと交友を深め、彼にカントリーロックの影響を与えた。その反面、ストーンズ、とりわけキースとの交友はドラックとの付き合いも意味することとなる。大飲酒癖で自ら作ったバンドFLYING BURRITO BROTHERSを追い出され、ドラッグによるオーバードーブで1973年に26歳の若さで生涯を閉じる。ストーンズとの交友は、他に黒魔術に対する興味を彼にもたらし、彼の葬儀は遺言により、その儀式にそって、おおよそ遺体処理という形で進められたそうです。
 Gram Parsonsとはどんな人物であったのか、インターネットで調べると、晩年はざっとこんな生涯であったことがわかります。

 私も、FLYING BURRITO BROTHERSと彼のソロ名義の作品を数枚所有しています。昨年、彼の未発表テイク(デモ録音)を集めた「Another Side of this Life」がリリースされました。66年前後の作品ということです。これを聴く限り、この時期はまだカントリー色は薄く、ロックというよりはロカビリーに近いような感じです。勿論、デモ音源で、楽器もギター1本である為、そうなってしまっているとは思います。個人的にはその方が好きなのですが。

 彼は、アメリカの精神もしくは伝統的なものの1つであるカントリー音楽を自分のスタイルに取り入れたかったのでしょうか。

 FLYING BURRITO BROTHERSはカントリーファンからはロック過ぎると言われ、ロックファンからはカントリー過ぎると言われ、興行的には失敗してしまったようです。
 今の耳で聴けば、現在のカントリーロックと呼ばれるバンドと比較してしまえば、毛色の変ったカントリーと言わざるを得ないでしょう。多分、彼の融合の方法は、他のアーティスト達の方法とは違ったのだと思います。
 ヨーロッパでは評価が高く、今でも細々と活動は続けているようです。勿論そこにはHillmanもLeadonもいません。Parsons脱退後のサウンドはかなりすっきりしてしまったそうです。中には、その方が聴き易いという人もいるようですが。

 Leadonが歌ったMy Manは「彼は心から歌を歌い、聴く誰もが涙する」という内容です。多くのミュージシャンから慕われたのは、彼のそういった面だったのではないでしょうか。



Emmylou HarrisはParsonsのソロアルバムで、デュエットの相方としてデビューします。




「Feelin' Glad !!」ホームへ戻る