= 孤独なランナー ジャクソン・ブラウン =


 当初、Jackson Browneは「I Love Eagles」の常連さんに詳しい方々がいるので、話題にとりあげる予定はありませんでした。とはいえ、JBを調べてみると興味を引く資料がたくさんでてきます。そして、彼の作品を出来不出来に関わらず全部聴いてみたい衝動にかられています。現時点(02年1月)ではまだ実行していませんが、この原稿がアップされる頃までには(多分夏頃でしょう)半分ぐらいは聴いていたいと思っています。

「Ready or not」(For Everyman収録)
誰か僕に説明してくれないかい
何を意味するのか分らないんだ
その日の朝、恋人は妙な雰囲気だった
そんなに彼女は食べる方ではないのだけど、
“ウェストラインが太くなったみたいで、ジーンズが入らない”って
将来に起こることを知れば、ある結論に達するのは分っているけど

混んだバーで彼女と出会ったんだ
ハリウッド映画のワンシーンのようだった
その日は、最高にいかしたハンフリー・ボガートのように振舞っていた
彼女の身体に触る奴がいた
彼女の品位を守る為、僕は冴えないその男にパンチを送った
男は立ち上がり、見返りのパンチでバーの出口まで飛ばされた
彼女は僕を家まで送ってくれた

その日の朝、彼女は妙な雰囲気だった
“考えなきゃいけないことが、たくさんあるの”
主は彼女に何も告げなかった
これから彼女は、乱暴な生活をやめなきゃならない
“夜の街を走っちゃいけないなんて気にしないは”って言うけど
彼女は母親になるんだ
僕に準備が出来ているように見えるか
僕の目をみて教えてくれないかい

今まで孤独に生きてきたことを彼女に伝えた
多分いつもそうだった
僕が欲しかった全ては自由だった
“分った”って彼女は言った
でも僕は彼女に洗濯物を洗わせた
合間に彼女は一口二口食事を口に運んだ。
次に僕が覚えていることといったら、彼女は全部平らげた事だ
後で、彼女に洗濯機を買ってあげた

その日の朝、彼女は妙な雰囲気だった
“考えなきゃいけないことが、たくさんあるの”
主は彼女に何も告げなかった
でも、おかげで彼女はご機嫌だ
あたりを駆け回った後で、彼女は言った
“準備はできているは”
なんてこった、彼女はR&Rのバンドマンを手に入れた
見を固めることを考えなきゃ

(訳ラム、無断転載禁止)


 70年代のJBは「生」「死」「愛」と多くの出来事を経験しています。

 この歌は、JBの最初の奥さんのフィリスさんとの出会いを歌っています。アルバム「Pretender」の制作中に残念ながら自死されています。興味本位でこの出来事を紹介しているわけではありません。その後の彼の環境を知る機会があり、あまりにも繊細かつ不器用で、自分に嘘を付けない彼の性格が伝わってきます。


 例により、訳詞に間違いがあれば笑ってお許しください。

 訳詞の一部若しくは全部の転載を禁じます。


アルバム「For everyman」中の「For A Dancer」、この曲は友人のダンサーの死に直面して作られたそうです。
アルバム「Running on Empty」の中に「Cocaine」という曲がありますが、現在彼はステージ上でリクエストされても歌わないか、詩を大幅に変更して歌っています。確かに、詩の内容は強烈です。「脳味噌の中をコカインが駆けずり回る」と服用中の気分を歌っています。彼と交友のあったLittle FeatのLowell Georgeがドラッグによる心臓麻痺で79年に他界しています。





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