= WALSH脱退後のJAMES GANGってどんな音? =

(2001/12)

 James Gangは1966年に Jim Fox / Tom Kriss / Glen Schwartz の3人で結成されましたが、1969年にギターのGlenがJoe Walshに変わり、同年レコードデビューを果たします。1977年に自然消滅するまでの間、数多くのミュージシャンが在籍しました(計12人、Jim Foxだけが全時期在籍)。当然、バンドの要のギターリストとボーカリストが変わるわけですから、その都度バンドの音に影響するのが普通です(後述のベスト盤のライナーノートを参考)。

 Joe Walsh
    「Yer Album (69年)」 「Rides Again (70年)」 「Third (71年)」 「Live in Concert (71年)」
 Domenic Troinano (Guess Who参加の為脱退)
    「Straight Shooter (72)年」 「Passin Thru (72年)」
 Tommy Bolin (Deep Purple参加の為脱退)
    「Bang (73年)」 「Miami (74年)」
 最後
    「New Born (75年)」 「Jess Come Home (76年)」

* ボーリンはウォルシュの推薦により、わずか15分のオーディションで決まったそうです。
* 「Miami」まではCD化されていますが、残念ながら最後の2枚はCD再発は有りません。それ以降の曲は、98年のドイツ編集の2枚組ベスト盤「The Best of James Gang」で10曲聴けます。


 ハードロックファンであれば(あえてここではEAGLESファンとは言いません)、「Bang」もしくは「Miami」までは楽しめるアルバムです。
 私にはギターテクの細かい違いまで理解・表現できませんが、共通して言えるのは、この3人の時代はバンドにファンキーさがあったことです。

 トロイアーノ、個人的にはアルバム「Straight Shooter」中のアコースティックナンバー「Get Her Back Again」や、頭のワンフレーズがクラプトンの「レイラ」に似た「Looking for My Lady」、ちょっとお遊びかかった「Hairy Hypochondriac」が気に入ってます。ウォルシュ時代に劣らぬサウンドです。

 ボーリンはJames Gangがギターリストとしての円熟期だったのではないでしょうか。「Bang」では1曲目の「Standing In The Rain」から圧倒されます。3曲目の「Must Be Love」では、ボーカルがうまくボーリンのギターに絡んでいます。殆どの曲がボーリンとメンバーの共作の為、彼の脱退による打撃は大きかったはずです。ドラックにより76年暮れに25歳にて他界。そのギタースタイルがパープルには合わず、ファンからは嫌われましたが、もっと評価されるべきギターリストです。

* ボーリンはギャラに釣られてパープルに入ったそうです。

 そして、ベスト盤で聴く限りは、最後の2枚ではファンキーさが薄れ、ギター&ヴォーカルの迫力不足が否めず、灰汁の無いハードロックバンドと化してしまうのです。それがファン離れ及びバンドの終焉につながったのではないでしょうか。実際、ボーリン脱退後、James Gangの音を維持するのに適したメンバーを探すのに非常に苦労したようです。それでもなんとか2枚のアルバムをリリースしますが、Jim Foxが「十分やった」という言葉を残し、自然消滅するのです。思うに、リーダーのFoxには曲作りの才能が無かったのです。彼らの殆どの作品はギターリスト達が作っていたからです。公式には77年まではバンドが存在していたようです。

 レコード時代、必死に中古屋を回ってウォルシュの4枚を探した思い出があります。現在、ウォルシュ・ボーリンの6枚は知名度の為か、容易に入手できますが、トロイアーノの2枚は、私自身はローカルショップで殆どみたことがありません。ネットショップでも、大手では見ません(この原稿を書いている時点ではAMAZON-USAに「Straight Shooter」が有りました)。数種類のベスト盤がありますが、殆どの物がウォルシュ時代で、前述のベスト盤は貴重です。中にB4のジェケット写真のポスター(Jim Fox/Tom Kriss/Joe Walsh)が入っていて、更にJames GangのBiographyの解説(英語)付きです。全時代を満遍なく網羅しているお薦め盤です。


デビュー前 Jim Fox(Dr), Glen Schwartz(G,?), Tom Kriss(B)
初期 Jim Fox, Joe Walsh(G,V,K) & Tom Kriss−Dale Peters(B)
中期 Jim Fox, Dale Peters, Roy Kenner(V) & Domenic Troiano−Tommy Bolin(G)
後期 Jim Fox, Dale Peters & Richard Shack(G),Bubba Keith(V,G)−Bob Webb(G,V),Phil Giallomard(K,V)

* Dale Petersは「Miami」の前後に一時脱退


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