= 魔女のささやき リンダ・ロンシュタット =


 リンダ・ロンシュタットについてどのようなイメージをお持ちでしょうか?

 LAの歌姫、恋多き女性(非常に多いです)、丸顔の目玉の大きなおばちゃん(失礼)

 EAGLESの「Witchy Woman(邦題“魔女のささやき”)」はリンダのことを歌っていると、知っている方も多いと思います。

 リンダは1967年に3人組のStone Poniesの紅一点としてデビューします。この頃のリンダは目をぱっちり開いたちょっと丸顔で田舎臭さが残る可愛いお嬢さん、ジャケット写真を見るとそんな感じがします。どうでもいいことですが、私は「Don’t Cry Now(73)」の表写真、「Hasten Down the Wind(76)」肩を出した、「Living in the USA(78)」ショートパンツで単髪姿、のジャケット写真のリンダが好きです。その後、69年にソロに転向します。ジャケット写真から推測すると、多分この頃の曲はカントリー系だったと思います。残念ながら、Stone Poniesの曲は「銀の糸と金の針」(「銀の糸と金の針を使っても、私の心は繕えないわ」って歌ってます)しか知りませんが、名曲です。「Don’t Cry Now」でリメイクしています。

 彼女は決して自分で曲を作ることなく、他人の出来上がった曲を彼女なりのアレンジで歌ってきました。歌に新たな命を吹き込んでいったというところでしょうか。60年代の有名な曲のカバーや、Neil Youngのように既にメジャーなアーティストもいますが、主にまだ無名なアーティストの曲を取り上げて歌うのです。そして、それらのアーティスト達は、彼女が歌うことによってメジャーに上って行きます。男性では、Andrew Gold・Warren Zevon・Eric Kaz、女性ではKarla Bonoffなどがいます。70年代のアメリカの音楽シーンを支えたアーティスト達です。(70年代の彼女の活躍は、今に例えれば、マライア・キャリーが似ていると思います。)

 70年代のリンダの曲はウェストコーストのミュージシャンを多用していることからも想像がつくと思います。私のオンタイムに記憶が残っている曲は、アルバム「Mad Love(80)」に収められた「How Do I Make You」とアルバムと同タイトルの「Get Closer(82)」だけです。前者はそこそこヒットしたと思いますが、後者はスマッシュヒットだったと記憶しています。個人的には「Simple Dreams(77)」に収められた、バディー・ホリーの代表曲の1つ「It’s so Easy」のカバーがアレンジの良さで気に入っています。歌詞「“恋するなんて愚か者のすること”って言うけど、そんなルールなんて私が壊してあげる」、リンダに非常に似合っていますね。バディー・ホリーのオリジナルはロカビリーですが、カントリーロック調に直し、力強く歌っています。

 彼女の作品は83年にリリースされた「What’s New」というスタンダード曲を歌ったアルバムの成功から大きく変ります。当時、誰もこのアルバムが成功するとは思っていなかったはずです。その後、くどいほどにそのパターンを繰り返し、流行に流されない作品を出し続けることで、彼女はアメリカの国民的歌手になり、その地位を不同のものとするのです。


 漆黒の髪にルビーの様な赤い唇
 指先から飛び散る火花、夜の暗闇にこだまする声
 休むこと無く飛び続ける精神
 魔女よ、どこまでも高く飛び
 魔女よ、お前は目の中に月を捕らえる
 夜になると私に呪文を放った
 踊る影、火の灯り、別の部屋からは狂気の笑い声
 彼女は銀のスプーンで自らを狂気に導く
 知ってるぜ、彼女とやりたいんだろ
 言わせてくれ、「彼女は、悪魔のベッドに寝てるんだぜ」
 世間を行き交う噂がある
 夜には、彼女はお前の肌が赤くなるまで揺すり続けることができるのさ
 (「Witchy Woman」訳ラム、無断転載禁止)


 EAGLESはリンダのどんな面を歌にしたのでしょうか!?




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