= ボブディランを愛した男 David Blue =

 『David Blue』
 『These 23 days in September』
 『Me』
 『Stories (72)』
 『Nice Baby and the Angel 』 − 「Outlaw man」収録
 『Com'n Back for More (75)』
 『Cupids Arrow (76)』

 David Blueの名前で上の作品(アルバム)を残しているわりに、自分なりの解説をしようとネットサーフィンをしたが、本当に資料が無い。

 彼の本名はStuart David Cohenで、「Singersongwriter Project」ではDavid Cohenという名を使っている(現在はDavid Blueの名前に括弧付でChohenの名前を表示)。1941年生まれで、1982年にジョギング中に倒れ、そのまま帰らぬ人となったとのことだから享年41才ということになろう。

 中古LPならまだ入手できると思うが、CDでは彼の歌は「Singersongwriter Project」と「Washington Square Memoirs(70)」(3枚組ライブ)の中で数曲聴けるだけだ。

 Bob Dylanを慕い、彼の音楽を愛し、Dylanがナッシュビルでアルバムを作れば、自分もと言って作ってしまったそうな。「These 23 days in September」(Washington Square Memoirs に収録)を聴くと、これがまたDylanの歌い方そっくりである。

 私は運良く「Stories」をCDで入手することができた。
 1曲目の「Looking For A Friend」ではいきなり“女友達はいるけど、友達はいない”(この場合の女友達はセックスフレンドと解釈するべきだろう)と唱える、彼の代表曲だ。
 2曲目の「Sister Rose」、そして5曲目のラブソング「Marianne」は、歌い方が「Closing Time」の頃のTom Waitsにそっくりである。
 最後の曲「The Blues (All Night Long)」では、Ry Cooderのacoustic bottleneck guitarが、昔映画で見たアメリカのカントリーな風景を呼び起こしてくれる。

 ここではもうDylanの面影は無い、そしてそれが、このアルバムが評価される所以だと思う。


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