= 2003年5月2日
 Jackson Browne in 中野サンプラザ =


 アジアで猛威をふるっているSARSに足止めされ、“I Love Eagles”の常連某氏にチケットを譲っていただいて行って来ました(有難うございます)。また会場では常連M氏にもお会いしました。Eaglesと比べ、JBはさほど知識が無いので見苦しい点はご勘弁ください。

 中野サンプラザは初めてなのですが(JBのコンサートも初めて)、この程度の規模の会場だと、アーティストの顔が見られていいですね。入り口で簡単な荷物検査は有りましたが、ポケットやジャケットの中に隠せる小さな録音機材を持ち込むことはできると思います(是非は別)。前回のEAGLESの日本公演時は金属探知機による検査が有りましたからエライ違いです。

 座った席は前から15列目中央寄りでした。予定時間から数分の遅れ程度で始まりました。演奏曲目は4月29日の広島公演の曲目とほぼ同じ(*の曲が足されています)ですが、大阪公演とは大幅に違います。当然と言えば当然ですが、昨年の秋にリリースされたアルバム“The Naked Ride Home”からの選曲がメインになっています。個人的にはこのアルバムが好きではないのですが、ライブで聴くと不思議と良く聴こえて来ます。皆さん、この日の為に新譜は聴き込んできているようでした。

 ところどころで、JBが曲の紹介や曲に関するエピソードを語りましたが、一言二言で殆ど寡黙に近い状態で歌い上げました。客層が大人しく、立つこともなさそうだなと感じられました(実は私は立つのが好きでないので一安心)。それでも馴染みの曲になると拍手喝采です。

 途中で客の呼びかけに対して「Yes, I love this band」(だったと思う)と返答していたことからも、現在のバンドが気に入っていて、メンバーに最大の敬意を払っているようでした。彼の流儀なのかもしれませんが、まとめてメンバーの紹介をするのではなく、1曲終わる毎に、1人づつメンバーを紹介し、そのメンバーの見せ場があると必ず声を掛けていました。現在のバックバンドは、今のJBが気負わず等身大でいられるメンバーなのかもしれません。

 後半の“My Opening Farewell”はリクエスト曲だったようで、突如思い出したようにバンドのメンバーを下げて、JBがギター1本で歌い上げました。前半の時に曲をリクエストしている方もいましたが、前半終了時に花束などのプレゼントと一緒にメッセージを添えてリクエストをすると、演奏してくれる確率が上がるかもしれません。但し、今回はセットリストが有り、追加公演の5月4日がリクエスト演奏ではと噂されていましたが、如何?

 そしてメンバーが再登場して“Pretender”へ。一気に盛り上がり、そのまま“Running on Empty”に突入。ここで、お約束のごとく皆立ち上がりました。。。A(^_^;)

 アンコールの曲紹介で、「今まで(このメンバーでは)やったことがないのだけど、多分無いと思う。」と言って、なぁなんと“Take it Easy”へ。この数年、JBはこの曲をライブで演っていなかったと思います。勿論、大阪と広島では演っていません。私はこの1曲だけで、昇天です。生で聴くJBの“Take it Easy”は、私には涙物でした。半分以上歌詞を覚えていますので、私も聞かれないような小さな声で口ずさみました。

 アンコールは2曲だけで、あっさり会場の照明がつけられてしまいました。チケット代\7,500は決して安くは無いですが(ストーンズとかと比べれば安いですが)、2晩行く方が多いのは驚きでした。

 会場の外で“チケットゆずってください”と紙を下げていた外国人は見れたのでしょうか?


−演奏曲目−
The Night Inside Me (from “The Naked Ride Home”)
Fountain of Sorrow (from “Late for the Sky”)
The Barricades of Heaven (from “Looking East”)
Casino Nation (from “The Naked Ride Home”)
Rock Me on the Water (from “Jackson Browne”)
*?(曲目わかりませんでした)
Never Stop (from “The Naked Ride Home”)
These Days (from “For Everyman”)
The Naked Ride Home (from “The Naked Ride Home”)
My Stunning Mystery Companion (from “The Naked Ride Home”)
休憩15分
About My Imagination (from “The Naked Ride Home”)
In the Shape of a Heart (from “Lives in the Balance”)
For Taking the Trouble (from “The Naked Ride Home”)
Lives in the Balance (from “Lives in the Balance”)
Late for the Sky (from “Late for the Sky”)
A Child in these Hills (from “Jackson Browne”)
Your Bright Baby Blues (from “The Pretender”)
Culver Moon (from “Looking East”)
*My Opening Farewell (from “Jackson Browne”)
The Pretender (from “The Pretender)
Running on Empty (from “Running on Empty”)
―アンコール−
*Take it Easy -組曲なし(from “For Everyman”)
Doctor My Eyes (from “Jackson Browne”)

(演奏曲目は大阪・広島で演奏した曲目リストを手に当日チェックしましたが、知らない曲が多々有り、歌詞から推測しています。間違いは、お許しください。)

バックバンドのメンバー
Kevin McCormick - bass
Mauricio Lewak - drums
Jeffrey Young - keyboards
Mark Goldenberg - guitars
パーカッション兼コーラスの女性の名前は知りません(失礼)
(これまた間違っていたらごめんなさい)


 メモを取りながら聴いていましたが、暗くて手元は見えず、いつもライブをレポートをするJIMMYさんの苦労がよく分かりました。

 皆さん、JIMMYさんがレポートをしてくれたら、一言でいいですから、お礼をBBSに書いてください!次のレポートの活力になります。


               



 下記部分は、コロンちゃんの5月4日のBBS投稿文とRoute136さんの5月15日、17日のBBS投稿文です。私のレポートよりも素晴らしく、そのままログ流れになってしまうのももったいないので、お願いして、多少の手直しをしていただいて残すことにしました(ラム)。


コロンちゃん's Report
 まず、Jimmyさんいつもながらに素晴らしいレポートを有難うございます。今回の事は、Bernieファンにとっては最高に嬉しいニュースですね。私は殆ど聞いたことがありませんが、これを機会に聞いてみようかしらという気になってもいます。

 今回行ったジャクソン・ブラウンのコンサートも数ヶ月前まで彼の音楽を聴くことなく今まですごしてきました。この“I LOVE EAGLES”でお知り合いになった方々とのオフ会がきっかけで、ジャクソン・ブラウンのアルバムを購入しました。今年の3月半ば頃に、"The Pretender","Late For The Sky","Running On Empty"他数枚(よく聴いたのは前述の3枚)を購入し聴き始めました。最初ボーカルはあまり好きでなかったのですが、メロディー等とっても美しく気にいりました。ご好意で譲っていただいたブートのライブを聞いているととっても温かみのあるJBのお人柄に何故か惹かれてコンサートチケットを購入しました。

 とっても残念な事には、コンサートの1週間前まで昨年9月にJBの新譜“The Naked Ride Home”が発売されていた事を知らず、4-5日前に購入して頑張って聴いていきました。こんな形でJBのコンサートに行く事になりましたので、自分自身はとっても楽しんで参りましたがライブレポートという素晴らしいものは書けません(ゴメンなさい)。くせのあるように感じたヴォーカルも、今はとってもソフトに聞こえ大好きです。

 広島、大阪のライブに引き続き東京1日目のライブも似通ったセットリストだったようです。 私の聴いていった3枚のアルバムからはベスト盤に収録されている曲を演奏してくれました。ピアノを弾きながらの"Fountain Of Sorrow","Late For The Sky"はとっても聴き応えがあり素晴らしかったです。The Naked Ride Homeからは、1曲目にThe Night Inside Meを演奏し、Casino Nation, Never Stop, The Naked Ride Homeなどまだまだ披露してくれました。THE NAKED RIDE HOMEは結構気にいって聞いていたのですが、ライブはそれ以上の感動を私に与えてくれました。

 最後の方は私が結構聞き込んでいって大好きな、THE PRETENDERから演奏が始まりました。アルバムの中でも優れた1曲ですが本当に聴き応えがありました。そして、RUNNING ON EMPTYになると会場は総立ちになって軽く手をたたきながら一緒に楽しみました。その後アンコールで、TAKE IT EASY, DOCTOR MY EYESでコンサートが終わりました。まだまだずっと聞いていたかったという思いを胸に会場を後にしました。

 本当にファンになって浅いので、JBの音楽をまだまだ理解できたとは言えませんが、少年のようなあどけなさの残る笑顔、その優しいお人柄、心に染み入るメロディー、歌はたった1度のコンサートに行ったのでは物足りないと思いました。オークションで東京2日目(5/3)のチケットを購入しました。せまい会場(中野サンプラザ)での1列目です。前に0列とかありましたが、本当に近い距離でコンサートを楽しむ事が出来ました。

 新譜の曲目は同じような感じでしたが、昨日とはまるで雰囲気が違っておりました。この日は観客からのリクエストに応えての演奏が結構ありました。何度かバンドとの演奏を中断して、ソロでピアノを弾きながらROCK ME ON THE WATER,FOR A DANCER,ROSIE他にも数曲(ごめんなさい曲目が分からないのもあります) やはり最後は、THE PRETENDER,RUNNING ON EMPTYで盛り上っていきました。花束を手渡したファンの方が握手していただいているのをきっかけにステージのところへ他のファンの方も集まっていきました。私も少し躊躇したのですが妹と一緒にステージの所に行ってしまいました。

 一度JBはステージからいなくなりましたがアンコールに応えて、ROAD OUT/STAYをピアノを弾きながら歌い始めます。途中でピアノからはなれ会場へ歌ってという感じで、そして又弾き始めました。最後はDOCTOR MY EYESでいつまでも拍手は鳴り止みませんでしたが、又明日来てといってステージからさっていきました。目の前でピアノを弾いて歌っていたジャクソン・ブラウンのライブは言葉に言い表せないほど素晴らしかったです。目の前にいたジャクソン・ブラウンは、写真で拝見するよりも素敵でした。

 最後になってしまいましたが、バンドメンバーのご紹介をさせていただきます。向って前列左から、Mark Goldenberg(guitar), その奥に Jeff Young(vocal & Keyboards), 真ん中より左寄りにピアノがおいてありますので、ジャクソン・ブラウンは曲によってギターを持ち替えたりピアノを弾いていました。その右に、Kevin McCormick(Bass), 並んでかなり大きな人で Val McCallum(Guitaar&ハーモニカ)。ジャクソンの後ろあたりにドラムでMauricio Lewak、その右横に女性のCatherine Russell(vocal& percussion)でした。印象に残ったのが、ジャクソン以外が椅子に座ってギターを横にして弾いていた確かLIVES IN THE BALANCEでした。



Route136さん's Report
2003.4.29. Jackson Browne in 広島

 遅くなってすみません。僕なりの視点で観た、Jacksonの広島でのライブレポートです。

 昼間にサンフレッチェの試合を観戦していた為、会場のアステールプラザに着いたのは開場時間18時の5分前。残念ながら、開場前から行列で待っていた人は、5年前より少なかったです。これほどの海外の大物ミュージシャンが広島に再度来てくれるのは、とても珍しい事なのに・・・広島の文化レベルは、まだまだ発展途上のようです。

 開場して中に入ると、早速プログラムとティーシャツ1枚(最新作のジャケットデザイン)を購入。このプログラム、「2500円は高い」と言う声をよく聞きますが、僕のようなアルバム全部持っているファンから見れば、妥当な値段だと思います。特にJacksonは音楽雑誌でインタビューや特集が組まれる事があまり無いから、ファンにとっては本当に貴重なアイテムです。

 開演時間は18時30分。確か5年前のJacksonは19時から約30分も遅れて登場したので、今回もそうなる事を予想して30分早めたのかな?・・・と思っていたら、何と時間通りにJackson登場!しかも、5年前のような深刻そうな表情は無く、実に爽やかな笑顔で!やはり5年前にここで演って手ごたえを掴んだのでしょう、再び広島で演れるのを喜んでいるのが、あの笑顔を見てよく分かりました。

 1曲目の「The Night Inside Me」は、僕にとっては意外でした。「最初は絶対に最新作のタイトル曲だ!」と思ってましたから(5年前も1曲目は「The Barricades Of Heaven」という内向的な曲でしたし)。でも生き生きと歌っているJacksonを見てたら、良い意味で裏切られたな、と思いました。

 2曲目の「Fountain Of Sorrow」は、ちょっと大げさかも知れませんが「このバンドに演奏される事で新たな命を吹き込まれたな」と思いました。聴いてて本当に清清しいんです。このバンドで再録音してほしい、と思っているのは僕だけでは無いはず。

 「Casino Nation」が終わった後、Jacksonが広島のファンに、実に嬉しい事を言ってくれました。「Today,We went Peace park.」そう、広島といえば被爆地、そして平和公園。Jacksonはかつて原発反対運動に参加した事のある人だし、ましてやあの戦争の直後だから、もしかしたら行っているのでは・・・と思っていたので、ホント嬉しかったです。それでこそJackson!僕の隣にいた人は、「(平和公園に)行っときゃ良かったよ〜」と悔しがってました。もちろん僕も。

 そして更に、「We against war.」(実際はもっと長く話してたんですが、これだけしか聞き取れませんでした。すいません)これにはみんな拍手大喝采でした。こんな事をきっぱりと言えるJacksonは、やっぱ凄いです。

 そして、あの「Rock me on the water」へ。Jacksonのライブでは定番の曲ですが、さっきのスピーチの後、しかも広島でこの曲を聴くのは、かなり特別な事じゃないかと思います。だってサビの部分、「水の上で僕を揺らして下さい 僕は何とかして海に辿り着くから」というくだりは、原爆を浴びた人達が熱さの苦しみから逃れる為に川へ飛び込む光景と、何だか重なってしまうんです。もしかしたらJacksonは、原爆の犠牲者への鎮魂歌としてあの曲を歌っていたのでは・・・と思うのは、考え過ぎでしょうか?

 「The Naked Ride Home」は、実にシミジミと聴きました。というのも、実は当日、女関係で辛い事があったので。聴いている間、この曲の中の主人公になりきっていましたね、僕は。「My Stunning Mystery Companion」がみんなの手拍子で盛り上がって、前半終了。


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 5年前は休憩なんてありませんでした。今回あるのは何故なんでしょう?正直言って、僕は公演を前・後半に分けての休憩は、あまり好きではありません。だってファンなら休憩なんて無くても最後まで集中して観れますからね。この休憩だけは、未だに納得出来ないでいます。

 後半1曲目の「About My Imagination」、最初のソフトさとクライマックスの激しさが対照的な曲ですが、ライブではそれが更に顕著になってました。特にMark Goldenbergのギターの炸裂ぶりは凄かった!David Lindleyのファンには悪いけど、僕はJacksonのバンドのギタリスト=Markというイメージを益々強めてしまいました。

 「In The Shape Of A Heart」、「For Taking The Trouble」と、新旧のラブソングが続いた後、Jacksonが真剣な面持ちで言いました。「This song is about secret world.」そして始まったのが「Lives In The Balance」。国民に真実を伝えない政府とメディアを批判したこの曲、やはりあの戦争の直後なので、切実に聴けました。この曲もやはり、平和都市・広島では特別に聴こえる曲じゃないかと思いました。また、アレンジがビデオ「Going Home」のようなアコースティックバージョンだったのが嬉しかった。あれなら、CDでしか聴いた事の無い人も満足したはず。

 「These Days」もCDとはアレンジが違ってましたね。カントリー調で、聴いてて癒されました。

 そしていよいよJacksonの代名詞「Late For The Sky」!・・・なんですが、さすがにこの曲には、こんな派手なアレンジは必要無かったのでは?と思いました。出来ればもっとシンプルな演奏にしてほしかったな〜、ちょっと残念。まあ、「Your Bright Baby blues」がCDと同じようなシンプルな演奏だったので救われましたけどね。

 急に聴き慣れないイントロが演奏されたので、何の曲だろう?と思っていたら、なんと「Child In These Hill」!これも意外でしたね。だって今年で55歳になるJacksonが、「僕は子供」なんて歌うワケですから。この曲もやはり「このバンドから新たな命を吹き込まれて」いましたね。

 「Culver Moon」は、Jacksonの相当のお気に入りみたいですね。演奏前に手振りでCulver Cityの場所説明までしてましたから。ただ、この曲のいかがわしい雰囲気は、好みが分かれる所でしょうね。僕も詞は好きですが、雰囲気はちょっと・・・と思いますから。でも曲の最後、Catherine Russellの独唱には聴き惚れましたね。5年前のValerie Carterの美声ももちろん素晴らしかった。でもこの曲の独唱は、Catherineの方が似合っていました。

 「Pretender」に弱いお客さん、やはり広島にもたくさんいましたね。前の席にいた男性2人組の方は、立ち上がって肩組み合って体を左右に振って拍子を取っていました。そして「Running On Empty」のイントロで観客全員総立ち!お約束なのは分かっていても、この曲のイントロを生で聴いたら、立ち上がらずにはいられません。手の痛みなんか顧みず、力の限り手拍子しました。

 さて、いよいよアンコール。5年前は、アンコールは1曲だけでした。その曲は何と「Before The Deluge」。被爆地・広島で、あの人類滅亡の歌を歌って去って行ったあの姿が忘れられませんでした。だから今回はどの曲を歌うのか、期待に胸を膨らませていると・・・

 1曲目は「Docter My Eyes」。確かに歌詞のヘビーな曲ではあるけど、ちょっと普通な選曲に思えました。そして「The Road Out」。Jacksonのライブではラストの定番中の定番曲なのは聴いていたけど、まさか広島で演ってくれるとは・・・これは正直、嬉しかったですね。鎮魂歌を歌うのもいいけど、最後がこの曲でこそ本来のJacksonですから。

 「Stay」では、Jacksonから観客へ、一緒に歌うよう促されましたが、残念ながら、僕も含めて歌詞を覚えていない人が多かったため、大合唱には至りませんでした。でもその替わりに、最後の「Stay!」の連呼は大声で叫びました。でもやはりJacksonはStayしてくれずに去り、ライブ終了。でも、決して機嫌悪くしてはいないと思います。だって去る時笑顔でしたから。

 一番驚いたのは、Jacksonの元気の良さ。今年で55歳という高齢、そして前日の大阪公演の疲れを感じさせないあの元気さには参りました。僕もああやって年を取りたいものです。長くなってすいません。それでは!




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