= 映画紹介2 「サンフランシスコ物語」 =
EAGLESの曲を使った映画はかなり有りますが、私はこの映画が1番好きです。
当時、TV・雑誌などで取り上げられましたが、地味な映画であった為、興行面では今一つだったようです。深夜映画枠でテレビ放映されたこともありますが、残念ながらビデオが出ていないので、現在は見ることができません。
但し、映画自体は評価されていますので、インターネットで話題を拾うことはできます。日本では、81年8月上旬に封切りされています。
ストーリー 映画はいきなり主人公ローリー(John Savage)の飛び降り自殺のシーンから始まります。 運良く木に引っ掛かり、そして路上の車の屋根に落ちた為一命はとりとめますが、首と片足に後遺症を残すことになります。 退院し、病院の近くにあった、“マックスのバー”に立ち寄り、身体に障害を持ちながらも強く明るく生きる常連達との出会いが彼を変え、彼自身もマックスのバーで働くことになるのです。 「ローリー、お前は何で自殺なんてしたんだ。」 「生きているのが空しかったんだ。」 「逆だ、普通は身体に障害を持ってから自殺するもんだ。」 (常連客・盲目の車椅子の黒人との会話、多分こんな感じでした。) 足に障害のあるバーテンのジェリー(David Morse)には、足を手術してプロのバスケットボールプレーヤーになる夢がありました。彼には、足をひきずりながらもプロ選手のクリフォード(Clifford Ray、本人)と互角に競り合える力があったのです。ところが、マックスのバーが経営危機に陥った時、親友のローリーの提案で、彼も貯めたお金を泣く泣く指し出すのです。 夢を断たれて落ち込んだジェリーを見兼ねて、ローリーはクリフォードに手術費用の借金を頼みます。足が治り、選手として活躍しだすと、マックスのバーに近づくことで運に見放されることが怖くなり、ジェリーはマックスのバーから除々に遠のいていきます。でもジェリーはマックスのバーから誕生した皆のヒーローだったのです。 そこにウェイトレスのルイーズ(Diana Scarwid)と彼らの三角関係が加わり、友情・恋・名誉のなかで揺れ動く2人の関係が進んでいくのです。 「マックスのバーは、心に障害を持った奴はお断りだ。」(ローリー) |
この映画を見るきっかけになったのは、CM編でジェリーのバスケットシーンにEAGLESの「I
Can’t Tell You Why」が使われていたことでした(本編では、ローリーとルイーズの2人のシーンで使われていました)。
テーマが自殺・身体障害者ということで、暗い映画と思われがちですが、そういった面での重さはありません。見終わった時に爽やかな感動があると思います。
* | David Morseはこの映画がデビュー作で、「グリーン・マイル」でトム・ハンクスの同僚の看守役や、「Proof of Life」のメグ・ライアンの誘拐される亭主役などがあります。 |
* | 原題の“Inside Moves”とはバスケットの用語では、ゴールの下の小競り合いという意味があるそうです。サンフランシスコの東対岸の町オークランドを舞台にしている為、邦題が“サンフランシスコ物語”となったのでしょう。 |
* | ウェイトレスのルイーズ演じるダイアナ・スカーウィッドは80年のアカデミー賞助演女優賞にノミネートされました。 |
* | 私自身、投身自殺の現場(遺体処理前)を見たこともあります。後に残された者の悲しみは想像を絶するものであり、いかなる場合でもそのような選択はしないでくださいね。 |
* | コラム2「独断と偏見で選ぶTimothyのこの1曲」があるので映画紹介2とさせていただきました。 |