= ライブパフォーマー、Joe Walsh考察 =


 ちょっとした偶然で、EAGLESの2002年前半に行われたライブをビデオで見た。

 演奏曲等の詳細は省くが、だいたいJIMMYさんの見た6月14日のライブと同じと見てよいだろう。最近の傾向なのかは分からないが、同じ者が3曲続けてリードボーカルを取ることはしていない。飽きさせない狙いもあるのだろうが、私には歳のせいではないかと疑ってしまった。

 また、Glenn Freyのボーカルが不調であったのか歳のせいなのか、充分な声が出ておらず、「You Belong To the City」では押さえて歌っていたのが気になった。

 個人的にはスチュワート・スミスのギターは健闘していたと感じたが、やはりホテルカリフォルニアの12弦の音が聴きなれた音とは違い(エフェクターの設定で高音を強調して、アコースティック感を狙っていたようだったが、変に目立ち過ぎた気がした)、違和感があった。この曲やマンドリンが必要な曲になると、どうしても“FelderよComing Back!!”と言いたくなってしまう。

 前半はスローな曲が多く、Joe Walshのギタープレーも目立たず、形を潜めていたと思われるほどであった。ところが、後半に入りロック調の曲に移ると、そのJoeが弾けたように動きだすのだ。94年の姿と比べると、醜いほどに太ってしまったJoeだが、誰よりもパワーが有り、「Life’s Been Good」では、ステージ裏の客の方にまで回り、1周したところでチャックベリー・ダック(正式になんて言うのか知らないが)までやって見せた。

 以前であれば、アンコールを抜いた2部構成の後半に彼のパフォーマーを見れたのだが、少なくともこのライブでは、1人が3曲連続にならないように、TimとJoeの曲が組み込まれていた。

 彼はこのライブで「Pretty Maids All in a Row」「In the City」「Life’s been Good」「Walk Away」「Funk#49」「Rocky Mountain Way」を演ったのだが、当然これらの曲では彼がリードギターであり、HenleyやGlennの曲では決してなかったメンバー全員のノリがあった。いや引き出していた。Joeの動きにのせられて、TimもGlennもステージを動き、Henleyまでも激しくドラムを叩いていた。

 結局、このパフォーマンスがFelderとの違いなのだろう。ライブを考えた場合、GlennとHenleyの2人では(ソロよりも長い)ライブ全体を支えることができず、James Gangやソロでライブパフォーマーとして確立していた彼の才能を必要としていたのではないであろうか。

 最終的にそれが、GlennとHenleyにとって、Felderを切る判断基準になってしまったのではないであろうか。ギター弾きだけなら代わりはいると。。。。勿論、楽器というものは、その人の癖が音になるのであるから、そんな単純なものではなく、決断に至るまでの葛藤はあったと思うが。

 JoeがEAGLESに加入した当時は、サミーヘイガーがヴァンヘイレンに加わった時のような中傷はあったはずだが(バンドがヘイガーの名声を利用している)、彼がバンドとソロを上手く使い分けることで、そしてバンドが彼を上手く使いこなすことで、そういった批判が消えたのであろう。

 「Funk#49」はJames Gangの代表曲の1つで、現在ではロックの古典曲とまでなっている。多くのバンドがライブで取り上げている。しかしEAGLESのライブでは、本人無しでは演奏する価値もなく、できない曲である。



 これは個人的な感想です。違った考えがあって当然です。皆さんも、時期を問わずライブ映像を見る機会に恵まれたら、是非ともご意見・ご感想を寄せてください。




「Feelin' Glad !!」ホームへ戻る