= 來來!!歓迎!!美國加州酒店 =


 解釈が難し過ぎて避けてきたホテル・カリフォルニアの詩なのですが、ファンならコーナーで取り上げなさいませとのリクエストを受けた為に、この度着手する運びとなりました。誤訳集に取り上げられているので、全訳はいたしません。一般的に言われている解釈を歌に沿ってまとめてみました。

中国語でUSAは美国(北京語発音=メイクゥオ)です。

 そもそもこの歌は、アメリカ建国200年の年に発表されたもので(原曲をFELDERが持ち込んだ時に、Henleyがそれを意識していたかは不明)、Henleyは「アメリカで起こる流行や社会現象は、いち早くカリフォルニアで見ることができ、アメリカを縮小したような場所なんだ。そして合衆国は多くの人種の集まる坩堝のような場所。だからそれらをカリフォルニアとホテルに置き換えて歌ったんだ。」と言っています。

 哀愁を誘うメロディライン、そしてカリフォルニアの渇いた夜の風景から歌は始まります。


暗く渇いたハイウェイ、冷たい風が髪に触る

遠くに目を向けると、かすかな灯りが見える....

ホテルに着くと、怪しげな女性が部屋へと導く....

いったいここは天国なのか、地獄なのか....

廊下を伝う声は

“ホテル・カリフォルニアにようこそ、ここは素敵な場所....”

と聞こえたように思えた



 Henleyが付けたこの曲の歌詞は非常に難解で、一見文法を無視して単語を羅列したようにも見えます。ここでは、Benzと動詞のbends(bend-曲げる-の3人称単数形)を引っ掛けています。“She got the Mercedes bends”は“She got the Mercedes that bends”とすると分かりやすいかもしれません(直訳するなら、“彼女は曲がったメルセデスを得た”とでもなるのでしょうか)。
 Henleyはティファニーやメルセデス・ベンツを金持ちの象徴的な言葉と考え、語呂を合わせて遊んでいるようにも見えます。ですから、このあたりの詩は感覚的解釈をした方が良いかもしれません。
 また、バンドの成功によって富を得たプロデューサーと称する者達や、彼らが毎晩のごとく開くパーティーと、その取り巻きを皮肉っているとも言われています。


富を得て歪んだ彼女の心は、よじれたティファニーの宝石のようで、

彼女の乗るメルセデスさえも曲がって見える

まわりには、友達と呼ぶ可愛い男の子をたくさんはべらかしている

ホテルの中庭で踊る者達がいる

甘く蒸し暑い夏

何かを思い出すための踊、忘れるための踊



 1969年のウッドストックの成功以来、ロックの世界にも商業主義が蔓延ります。大規模なロックコンサートの成功により、ロックは銭になると気付いたのです。その後、やりたい音楽よりも売れる曲を作ることが、レコード会社がミュージシャン達に課した使命になっていきます。体制に抵抗することが、ロックミュージシャンの精神だったはずなのに、飲み込まれてしまったのです。

 否定をしたくてもできない。EAGLESは、そんな状態を皮肉った曲を出し続けることで苛立ちを発散させていたのでしょうか?そんな思いを知ってか知らずか、曲はヒットし続けます。ここで、彼らはスピリッツ(酒)を精神と掛けて、失われた魂を嘆いています。


給仕長を呼び、ワインを頼むと

“1969年以降、酒は置いていません”と彼は言う....

天井に張りつめられた鏡、氷の入ったピンクのシャンパン

彼女は“ここでは、皆が囚人なのよ”と告げる....



 時節で、Henleyは“feast”と“beast”の音の遊びをしています。この手の音を踏んだ詩はご存知の通り、Beatlesの“Yesterday”が有名です。


快楽を求め、大広間に人々が集まってきた

鋼のナイフを使っても獣を刺し殺せはしない



 アメリカを旅行したことが有りますか?入国手続きで、パスポートに入国スタンプを押してもらえます。でも出国手続きも出国スタンプも有りません。荷物をX線でチェックして終りです。去る物は拒まずという意味だそうです。


出口を求めて走り回っていたことを最後に覚えている

もといた場所に戻る通路を探さねばならなかった

夜警は言った

“落ち着いて、何でもお応えするようになっています”

“いつでも好きな時にチェックアウトをどうぞ”

“でも(心を囚われた)貴方はここから2度と離れることはできない”



 ホテル・カリフォルニアへようこそ。。。。。


詩の解釈は難しいもので、訳したあとで、あれで本当に良かったのだろうか?と常に考えてしまいます。それでもきりが無いので、普段は諦めてほっておきますが、今回は訂正を入れさせていただきました。




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