= コピーコントロールCD =


 Copy Control CD、略してCCCD。コンピューターでのコピーの仕方について技術的なことに触れるのは好ましくないので、それには触れません。

 エーベック社をはじめ多くの会社で使われているコピーガードの方法は、イスラエルのMidbar Tech社が開発したオーディオプロテクト技術で、CDS 200(Cactus Data Shield Ver.200)というものです。このCCCDが市場に出た時は随分と騒がれました。

 現在日本では、簡単に外すことのできない高度な技術で複製を困難にする技術を施された物を法律で保護しています。主に、著作権法第30条で規定しているようですが、この条文を要約すれば、簡単に外せないようにガードされている物に対して、そのガードを外す機械の製造や、ガードを外してコピーすることを禁じています。

 ところがこのCCCDに関しては、あまりにもコピーガードを無視して音楽トラックを読み込んでしまうドライブ(CD-ROMドライブ等)が多く、法律関係者の間では「そのような低技術では、法で保護する対象とは言えない」というのが一般的解釈になりました(但し判例があるのではなく、弁護士がそのような抗弁で対抗できるとの自信からきているものです)。

 エーベックス以来、ソニー、東芝などが次々にCCCDの販売を始めました。例外的に音質を重視して、CCCDでの発売を見合わせたミュージシャンもいます。

 メーカーが自分達の立場だけを考えて、販売の不振を違法コピーのせいにして、どんな技術を導入しようとも、消費者は受け入れず、単なる一過性のものとして終わってしまうと考えます。何故、レコード(録音物という意味ではCDもレコードの一種の為、この呼称を使わせていただきます)が売れないのか考えた場合、いくつか原因があると思います。決して違法コピーが第一原因ではないはずです。

 レコード業界の業績不振の理由に価格があると私は考えます。ビニールレコード時代は最終的に\2800まで価格が上がりました。現在の価格は、邦楽新譜は\3000前後です。消費税導入前の価格は\3200でした(物品税がCDには掛かった為)。多くの雑貨物がこんなに値下がりする時代に、何故レコードだけが変らないのでしょうか?

 多くの邦楽アーティストは、東南アジアでも人気が有りますが、日本でプレスされて輸入された物は高すぎて誰も買えません。その為、現地でプレスされて販売しています。価格は\1500前後です。ご存知ですか、それらには日本への逆輸入禁止と書かれています。価格差が余りにも大きすぎるので規制しているのです(但し、法的根拠があるのかは不明)。他にも、例えば製造コストが掛からない洋楽オムニバス盤は、海外ではもっと安く購入できます。流通段階で、販売店がどの程度のマージンを要求しているのか不明ですが、改善の余地があるはずです。現在の価格は異常と言わざるを得ない状態なのです。

 多くのコピーガード方法が論議されています。SACD(Super Audio CD)やDVDオーディオは、そういった流れの中で提案された新しいメディアです。それらの音質を十分に発揮できるハード(機材)は高額で、直ぐの普及は見込めません。1つだけ言えることは、そういった試みは全てメーカーの都合で開発されたもので(現段階では、それらのメディアを使った場合、音質の改善を計れるだけでなく、原版に忠実にコピーするのは難しいと言われています)、一番大事な消費者が無視されている感は否めません。消費者のニーズと合致した時に初めて普及するのではないでしょうか。

 下らない作品が多すぎて、“アルバム1枚聴けるアーティストがいなくなった”と感じるようになって久しいです。「I Love Eagles」の常連さん達は、少なくともEAGLES関係のCDは購入していますよね。好きなアーティストの作品は買っていますね。メーカーには、もう少し消費者の気持ちを知ってもらいたいところです。




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