= Leah Kunkel ジャマイカの月の下で =


 Leah Kunkel(リア・カンケル)、私は彼女の名を「I Love Eagles」の常連Bさんの投稿で知りました。CDはレアで、オークションでも高値、こうなると興味が俄然湧いてきます。

 調べてみると、Stephen Bishopと共作した「Under The Jamaican Moon」がNick De Caroによってヒット(「Italian Graffiti(74)」に収録)したあたりから、ライターとして注目を浴びるようになったようです。勿論、この時はStephen Bishopの方によりスポットが当たったわけですが、音楽業界の中ではLeahは有名人であったのではないでしょうか。

 1974年、この年の7月29日、1人の女性シンガーがこの世を去っています。ママス&パパスのCass Elliot、Leahは彼女の実妹でした。

 今回は資料が少なく、たいしたコラムは書けませんが、素晴らしいアーティストの紹介の意を込めて、取り上げさせていただきます。既にファンの方には物足りないかもしれませんが、お許しください。

 Kunkelという姓は、当時の夫でスタジオミュージシャンであるドラマーのRuss Kunkelの姓からきています。Russとはその後離婚していますが、この名前で通っている為に、現在もそのまま使っているのだと思います。Leahの1枚目のアルバム・ジャケットに使われた写真を見ると、Cassの面影を残しています(今は体型までもが似てしまいましたが)。声はキャロル・キングに驚くほど似ていて、似た作風の曲を聴くと間違えてしまうほどです。

 LeahはAOR系のシンガーソングライター(SSW)として位置付けされていますが、79年にリリースした1stソロ・アルバムでは、自作の曲は少なく、多くをカバーや他人の曲で占めています。Steve Lukather、Stephen Bishop、Jackson Browne、Danny Korchmar、Andrew Goldらがゲスト参加しています。姉キャスの影響もあったのでしょうが、70年代前半から音楽業界に身を置いて培った人脈でしょう。

 2ndアルバムを聴く機会が残念ながら無いのですが、1stを聴く限りでは、心地よい音楽を提供しています(私の嫌いな言葉“AOR”を使えば、その分類に入るでしょう)。ただ残念ながら、80年前後のアメリカのミュージックシーンは、ディスコサウンドからピープルズロック(売れ線の大衆ロック)やニューウェーブへの過渡期であり、激動するミュージックシーンの中、波に乗れずに埋もれてしまった気がします。

 彼女の現在の音楽活動は、Marty Gwinnとのデュオ“Coyote Sisters”です。但し、本業は弁護士であり、二児の母親だそうです。もともとはCoyote Sistersは、Renee Armandを加えた3人で、84年に1枚のアルバムをリリースした後は、長らく音沙汰が無くファンですら忘れていた存在でした。否、20年近くも音沙汰がなければ終わったと思います。

 Reneeに関しては、彼女達のHP(http://www.coyotesisters.com/)で袂を分かれたという表現をしていないので、取り合えず2枚目のアルバムには参加しなかっただけというところでしょうか。

 Coyote Sistersは1枚目と2枚目では音がガラット違います。1枚目では当時流行のシンセサウンドを取り込むなどしていますが、長い時間を経てリリースされた2枚目では、アコースティック路線になっています。特に3曲目のLeahの歌う「I’ll be there for you」は素晴らしい曲で、往年のキャロル・キングを彷彿させます。興味が有る方は、CDBaby(http://www.cdbaby.com/)に2分間サンプルがありますので、是非聴いてみてください。

☆Leah Kunkel
79年 「Leah Kunkel」
80年 「I run with trouble」
☆Coyote sisters (Leah Kunkel and Marty Gwinn Townsend)
84年 「Coyote Sisters」w/ Renee Armand
02年 「Women and other visions」


 既に廃盤になり、某所の復刻NGリストに入っている彼女の1stのCDは、現在Yahooオークションでは1万円以上で取引されています。こういった名作を聴いてしまうと、廃盤になったCDが、高値で取引されているのも納得してしまいます。くだらない音楽が高値で取引されている例も多いですが。。。。


実現しなかったようですが、一時期ソニーの 『洋楽秘宝館』で、セカンドアルバム「I RUN WITH TROUBLE」が再発リストの中にあったようです。





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