= 逆輸入CD禁止法案
企業努力は何時するねん =


前置き
 本編を書き終わって読み返すと、自分の偏っているかもしれない考えを全面に押し出し過ぎた気がしてきました。いろんな考えがあって当然ですから、割り引いてお読みください。ご意見等ありましたら、是非BBSにてお聞かせください。


 “邦楽CD逆輸入禁止”、04年2月16日、私が購読している朝日新聞国際衛星版(夕刊無し、購読料約1万円/月、自腹)の一面の記事の見出しが目に飛び込んできました。来年1月からの施行を目指しているそうです。

 実はこの件について文化庁は、インターネットを使って告知し、03年12月24日締切で意見を募っていました。音楽ファンの中では、通常輸入盤への拡大適用を危惧する声がありましたが、今回の新聞発表によれば、現時点ではその心配は無いようです。(但し、専門家の指摘によると、法案の詳細を検討すると、有事にはいつでも転換・拡大適用できる余地を含んでいるそうです。)

 現地マーケット用の音楽著作物の輸入・還流禁止措置を設けている国は65ヶ国あるそうで、しかも先進国では日本だけが無いことが、後押しになっているそうです。ただ、そういった国々と日本では、流通形態が違うと思います。日本には、再販価格制度があります。

 私の知っている範囲では、エーベックスが一早くアジア法人を立ち上げ現地生産を行い、アジアマーケットに合った価格で販売を開始しました。現在ではそれにSME(Sony Music Ent.)や東芝などが、続いた形になっています。それまでは、長期在庫などによるディスカウントを除いた場合、日本からの輸入盤は4千円程度でしたから、現在の約1500円になって、やっと買い易くなった感がします。勿論、日文の歌詞カードも入っています(印刷・紙代・織込み料はたいしたことないですから)。

 アジアでは、二束三文で違法コピー物が出回りますから、メーカーも必死です。法の整備・施行・徹底だけでは追いつきません。この数年でコピーに対抗すべく、価格も検討しています。(付加価値を考慮すると、許容範囲まで下がってきています。)

 価格も各店で違います。HMVは高く、小規模なショップほど安い現象があります。HMVのような規模の大きい黙っていても客が来る量販店とは違い、生き残る為に価格で差をつけています。

 そして、人気の無い物や旬が過ぎた物は、瞬時に価格が下落します(逆に、売れる間はとことん高い)。日本の場合、再販価格で守られ、どこも同じ価格で、メーカーの決める一定期間(6ヶ月から1年程度、長い物は2年以上もある)は価格を維持しなければなりません。ところが期間終了後でも、一部のショップを除き、一般的には安売りはされていないのが現状です(AmazonJPはやっているそうです)。

 と、ここまで書いたところで、あることを思い出しました。日本盤CDの流通には、諸外国に無い返品制度があります(同じ再販制度で守られている書籍にもあります)。結局はメーカーと小売店の“持ちつ持たれつ”というところでしょうか。その結果として、消費者が一番被害を受けているのかもしれません。

 本当に再販価格制度や返品制度が必要なのでしょうか?

 メーカーにとっては、売れなくなった物を引き取り、コストを掛けて破棄するより、価格を下げてでも売って貰った方が、メリットはあるのではないでしょうか?勿論、完全自由競争になった場合、小売店は売る物しか置かなくなることも考えられます。現に、私の居る所では、私の聴くマニアックなCDは置いていませんから。。。。否、日本ほどマニアックな聴き方をする人もいませんが(笑)

 今まで、競争相手がいなかった邦楽の日本国内価格が、高いと言われ始めて久しいです。逆輸入禁止を政治家に働きかけるより、流通形態を含めた見直しの時期にきているのではないでしょうか!?


文中の“有事”とは、音楽ファンにとっての有事であり、自衛隊の海外派遣論議で世間一般的に使われている“有事”ではありませんので、あしからず。




「Feelin' Glad !!」ホームへ戻る