= Vinyl Kings 熟年パワー全開 =


 今回は、気まぐれで買ったCDが思いの外良かったので紹介させていただきます。

 バンドの名前は“Vinyl Kings” アルバムタイトルは“a Little Trip”、メンバー全員が70年代以降のアメリカ・ミュージックシーンを裏表から支えた人達です。バンドの名前の由来はビニールレコードからきているのだと思います。


☆メンバー紹介☆
Larry Lee

 私は聴いたことがないのですが元Ozark Mountain Daredevils(以下OMDと省略)のドラマーでありリードシンガーです、勿論曲作りも担当。OMDのサウンドは中南部の音で、サザンロック寄りだそうで、Eagles好きには受けるのではないでしょうか。代表曲は「Jakie Blue」で、この曲を含む2曲程度がTOP40入りしているそうです。バンドは70年代中盤から82年まで活動し8枚のアルバムを残して解散。
 彼は、80年代後半はJimmy Buffettらと行動を共にし、その後はプロデューサーとして大活躍、現在はインディーズ系のアーティスト中心にプロデュースしているそうです。

Larry Byrom

 彼はSteppenwolf(67-72)のギターリスト(オリジナルメンバーではない)で、アルバム“Monster”や“Steppenwolf7”などの後期の作品に参加しています。ギターリストとしては有名な方のようで(ごめんなさい)、ナッシュビルのセッションギタリストとしては屈指のプレーヤーだそうです。

Josh Leo

 彼はGlenn Freyのファーストアルバム『No Fun Aloud』にギターで参加しています、名前がクレジットされていると思います。グラミー賞にプロデューサーとしてノミネートされたこともあり、現在はプロデューサーとして活躍しています。Alabama、Bad Company、Leann Rimes、Reba McEntyre、Jimmy Buffett、Lynyrd Skynyrd、Timothy B. Schmit、Kathy Mattea、Restless Heart、NGDB、Brenda Lee達に曲を提供したり、プロデュースをしたりしてきたそうです。またJimmy Buffett、 Glen Frey、 Kim Carnes、 J.D. Southerらのツアーにギターリストとして参加したこともあります。(Vinyl Kingsを購入した際にメールを頂きました。そこにもJDとGlennのツアーに参加したことが書かれていました。)

Michael Rhodes

 ベーシスト、彼はセッションミュージシャンです。多くの作品で彼の名前を見受けられます。Steve Winwood、Vince Gill、Etta James、Peter Frampton、John Fogerty、Shawn Colvin、Bob Segar、調べたら、彼をナッシュビルNO.1セッション・ベーシストとして挙げているところもあります。ラリー・カールトンと、彼のバックバンド“Sapphire Blues Band”の一員として、この夏(2003年7月)に来日しています。

Harry Stinson

 コラム55のSILVERで紹介しましたが、彼は元SILVERのドラマーで、現在はナッシュビルでスタジオ及びセッションミュージシャンとして活躍しています。

Jim Photoglo

 彼はソロアーティストとしてヒット曲を持ち、また確固たる地位を築いています。日本でもAORのファンの方には、彼をよく知っている方がいると思います。もしくは、Bernie LeadonのRun C&Wにも参加しているので、そちらで彼の名を知っている方がいると思います。
 70年代中盤までLAのクラブで活動し、その後3枚のアルバムをリリース、「We were Meant to be Lovers」「Fool In Love With You」の2曲がヒットしました。80年代半ばはAndy Gibb、 Vince Gill、Nicolette Larson、Dan Fogelbergらとツアーを回り、歌っていたそうです。その後ナッシュビルに移り、曲作り中心の活動にスタイルを変え、多くのアーティストに提供しています。彼自身も90年代前半に2枚のソロアルバムをリリースしています。

Vince Melamed

 彼の名も、Run C&Wでご存知の方が多いのでは。Bernieと並ぶ中心人物でした。
 60年代にMugwumpsというグループに所属し、Doors、Janis Joplin、Byrdsらのオープニングを勤めたこともありました。80年代頃からソングライターとして活躍しだし、96年のTrisha Yearwoodの“Walkaway, Joe” (Don Henleyがバックボーカルとして参加)のヒットにより、知名度が上がりました。
 キーボード奏者としては、Eagles、Jimmy Buffett、Dan Fogelberg、David Bowie、Bob Dylanなど多くのアーティストと仕事をしてきました。


 さて、こういったメンバーで醸し出されるサウンドは、さもウェストコースト風かと思いきや、Beatlesベースのサウンドでした。正確に言えば、Beatles中期の音をもっとハードにしたようなサウンドで、Beatlesに憧れたかっての少年達が、思いをぶつけて曲を作り目一杯演奏しています。そこそこハードな音ですから、彼らの年齢は全く感じさせません。真剣勝負で、パロディーでは終わっていません。

 残念ながらインディーズ系のリリースの為、日本の大手輸入盤屋の店頭及びネットショップに並ぶことは無いと思います。下記ネットショップにて取り扱われています。興味をもたれた方は、是非聴いてみてください。2002年の作品です。

ネットショップ(CDBaby):http://www.cdbaby.com/
Vinyl Kings HP : http://www.vinylkings.com

* CDBABYはインディーズ系専門のショップで、そのアーティスト検索は、例えば“like "Eagles"”といった具合にも検索できるので、買う買わないを別にしても面白いです。また、サンプルは2分ですので十分堪能できます。他には、Leah KunkelのCoyote Sistersとかも扱っています。





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